2020年7月16日

価値ある1匹とは

(俺・サトーさん)



 今シーズンようやく2回目となる渓流釣りは、久しぶりにサトーさんと同行ということになった。

 まだまだ梅雨の真っ最中だが、良いタイミングで雨が止む予報となって意気揚々と出向く。

この後、撤退・・

 今年の梅雨は早々からほぼ毎日降り続けるしっかりした梅雨で、各地で災害も引き起こしている。

 この大井川もその影響は避けられないとは思うが、2日間は止むのでどうにか釣りになるだろう。

 そんな淡い期待を胸に、前日夜から移動して南アルプスエリアの車止めに到達。

 車内での仮眠を経てAM4:30頃に起きてみると、曇り空だが雨の気配はない。

 しかし本流や近くの枝沢の水量を見ていると、目的のN川は大丈夫かと心配にもなる。

 とりあえず軽い朝食を摂ったら支度を始めて、5:30頃から車を出発した。

 暫し進んでN川出合に着いてみると、やはりここも予想以上の水量だったが、なんとか釣りが出来る エリアまで行ってみる事に・・。

 ・・しかし幾つかの渡渉でこれ以上の遡行は厳しいものと判断して、釣らずに撤退となってしまった。

 更にその足でS河内にも回ってみたものの、N川以上の規模を誇る支流だけに最下流部を見ただけで 諦めがついた。

 長く続いた雨で山に滲み込んだ水が抜けきるには、まだまだ時間が必要なのかもしれない。

 立て続けの移動に時間と体力を費やしてしまったが、なんとか釣りが出来る場所を探して彷徨う。

  場所を変えて

 そして行き着いたのが、得意のO沢だ。

 ここも他と同様に水位が高いものの、難所も無いし規模が小さい流れなので、なんとか行けるだろう。

 ただ魚影に関しては決して濃いとは言えないうえに、ポイントも絞られる状況だ。

 釣りが出来る事が大事。釣果は二の次で良いくらいで構えていこう。

 9時半過ぎにO沢の入渓地点に入ってみると、いつもの1.5倍近い水量だが濁りは薄い。

 支度が出来たら普段は竿を出さない様な最下流部のポイントから丁寧に釣り始めてみる。

 ここもどこまで遡行出来るかわからないので、ポイントを大事に扱っていこう。

 今回はサトーさんに合わせて2人供ルアー釣りに専念する予定だ。

1発目は俺に

 先ずは以前サトーさんから頂いた蛍光イエローのミノーから試してみようか。

 珍しく支度が遅れるサトーさんに先立って釣り始めると、早々にHIT。

 驚きながら回収してみると、6寸程の小型ながら本命のアマゴが掛かっていた。

 こんな下流部にも居るんだな・・と感心しながら撮影後にリリース。

 今年もルアーで渓流魚を釣る事が出来て、既に満足だ。

 次はサトーさんに釣ってもらおう。

 水量のある渓相は濁りが薄いとはいえ白泡の範囲も大きく、魚の着き場も普段よりズレていると思われる。

 ただでさえ規模の小さな支流なのに、増水によってポイントが狭くなっている感覚だ。

 最初のポイント以降は角度のある流れなので、滝や落ち込みの連続する渓相が続く。

1発目は俺に

 そんな中、サトーさんは的確なキャストで小さなポイントまで丹念に攻め上げていく。

 しかしなかなかアタらない時間が続く。

 朝から曇っていた空は徐々に雲が減り、気温は20℃程で快適だ。

 まだまだ湿っぽい空気の中、黙々と釣り続ける。

 するとようやく、サトーさんに本日初HIT・・かと思われたが、キャッチ寸前でバレてしまったようだ。

 悔しがりながらも初の魚信に喜ぶ。

 俺はサトーさんに期待しながら、最初に釣ったミノーからスプーンに切り替えて遊んでいく。

 俺の技術ではミノーを引くスペースが無い渓相になってきたので、落ち込みや小滝の壺をピンポイントで 深く探るのだ。

 天候が回復傾向にあって周囲も明るくなってきたので、シルバーの肉厚なものでTRYしてみよう。

2発目も俺に

 初っ端のHIT以降はなかなか魚影が感じられないまま釣り上っていくが、魚はまだ他にも居るはずだ。

 俺も小さなポイントまで抜かりなく探っていく。

 そして11時を過ぎた頃、すぐ目の前の浅いポイントで俺に2匹目がHIT。

 1発目より若干サイズアップした7寸程のアマゴで、型も大人びてきた感じのキレイな魚体だ。

 驚くべき事にそのポイントは一度近くを通過した場所だったはずだが・・。

 この増大した白泡と薄い濁りで気配を感知されなかったのだろうか?

 サトーさんに申し訳ないと思いつつも、撮影してリリース。

 サトーさんも追加の釣果を喜んでくれた。

 なんとか、そろそろ彼にも釣果が出てほしいところだ。

サトーさんの1発目

 陽が高くなってきたのを感じながら更に釣り上ること40分。

 遂にその時が来た。

 やや足場の高いところから少し広めのポイントを攻めていたサトーさんが、ルアーを追ってくる2つの魚影 を確認。

 何度か粘った末に、とうとう竿先を曲げるHIT。

 喜びながら引っこ抜いた獲物は、なんと10Cmそこそこの小型のハイブリットイワナだった。

 やった、型はともかくようやくサトーさんにも釣果が出た。

 しかもこの川では近年になって姿を確認し始めたばかりのイワナとは。

 そのサイズ故に白点が目立つ魚体だが、この川で生まれ育った天然の魚でもある。

 釣り上げられた小さなイワナは、大きな人間2人から撮影されまくって、まるでスターのようだ。

晴れてきたO沢の渓相

 とりあえず2人共釣れた事で、自分の事のように嬉しい。

 そしてサトーさんの1発目も無事にリリースされて、ここで昼飯を摂る事に。

 今回は彼のバーナーを使ってカップ麺とコーヒーを堪能する予定になっている。

 渓流泊まり掛け釣行未体験のサトーさん的にはまだまだ斬新な行為らしく、楽しみにしてきたようだ。

 しかし沢の水を汲んでみると、僅かな濁りの成分である砂がどうしても入ってしまう。

 ・・結局お湯を使う昼飯は断念して、サトーさんに頂いた魚肉ソーセージで凌ぐことに。

 この環境で食うものは大概なんでも旨く感じるものだ。

 ありがたく味わって一息入れたら、サトーさんが1発目を出したポイントで続きを始めた。

 すると速攻で再びHIT。

サトーさんの2発目

 勢い良く抜き上げられたのは、サイズアップした8寸クラスのイワナだ。

 おおお、やった!今度はキープサイズである。

 抜き上げてしまった獲物だが、今回初めて持ち込んだランディングネットも添えて、インスタ映えする画を 撮る。

 今度の魚は体側の白点も薄く、お腹のオレンジ色が鮮やかな♀でキレイな魚体だ。

 連続HITでサイズアップまで果たしたサトーさんも、だいぶ満足してくれたようだ。

 キープサイズではあるが、キープしない人なので無事にリリース。

 基本的に釣ったら食う派の俺でも、リリースした魚が帰っていく姿を見ると心が洗われる気がする。

 こういうのもなかなか悪くないな。

 昼を過ぎて、いつもの釣り区間もあと少し。

サトーさんの2発目

 相変わらず荒れたエリアに入ってみると、新たな倒木や土砂崩れが目立つ。

 こんなに変化の激しい渓相でも、渓流魚達は対応して生活しているのだ。

 そんな荒れたポイントながら、サトーさんが3匹目のイワナを追加した。

 サイズこそ落ちたものの、しっかりスプーンの針に喰いついている。

 良かった、最初の不安は完全に払拭されて、ただただ安堵である。

 間も無く最後のポイントに到達したものの、増水したポイントに見所は無かった。

 2人共竿を仕舞い、川通しで入渓地点まで下る事に。

 終わってみれば俺が2匹のアマゴで先行した後、サトーさんがイワナを3連釣して面目を保ってくれた。

 餌釣りとは違って1匹を釣るにも難しい疑似餌釣りだが、其々違った魅力があって、どちらも面白い。

 今回も爆釣には程遠いものの、一匹の価値を感じる釣行となった。

 次は泊まり掛け釣行に行けると良いな。

 

どこに居るのだろう





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